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 2009年も残すところ1カ月。今年も音楽を通して、morphが多くの素敵な時間を提供できたとしたら嬉しい。アーティストとオーディエンス、または観客同士(ナンパ含む)、スタッフとの交流(阿部社長からマドリンまで)etc.、morphがそれぞれの人生の重要な出会いの場所となり、ムーヴメントを生み出す磁場となっていくことを願っている。

<  morph-tokyo7周年スペシャルウィークの期間中、10月30日のイベント『すれ違いの純情』でトリを務めた竹本洋介とSASAからなるユニットmotts(モッツ)も、実はmorphの縁から生まれた。竹本洋介は、リュ・シオンに楽曲提供した「桜」のヒットをきっかけに2005年にインディーズで、その後メジャーシーンでも活躍したボーカル・ユニットGiFTを、今年の春に解散。ソロ活動による新たな展開を模索していく中で、曲作りに協力してほしいと思ったのがSASAだった。SASAは、EXILEの前身ともなったダンスボーカル・ユニットJ Soul Brothersの初期メンバーとしてボーカルと作曲を担当。2001年に独自の音楽性を追求するために脱退し、自らスタジオを構えてアーティストへの楽曲提供やソロ活動、様々なプロジェクトなどで活躍してきた人物だ。

 「以前からSASAさんの作るサウンドが好きで、過去にmorphの阿部さんを通じて一度GiFTに楽曲の提供していていただいたことがあったんです。そこで改めて阿部さんに間を取り持ってもらってSASAさんのスタジオに遊びに行ったのがきっかけになりました」。共同での曲作りとしてスタートしたプロジェクトは、7月に竹本がソロとしてmorphに出演する際に、阿部社長が「ユニットでやってみたら?」と提案。「一緒に作ったんであれば、一緒に歌ってくださいよ!」と竹本も誘い、SASAも「知らないうちに」ステージに上がることになった。「最近は裏方の関係のほうが多いし、自分でもこれからは結構クリエイターの方向でいくのかなと思ってたので、不思議な感じだったんですけど、やっぱり歌うのっていいなと思いました」(SASA)。一度きりでは終らずに、共同作業はつづくことになった。

 楽曲制作のプロセスは様々だが、たとえば竹本が作ったメロディやサビ部分などのいくつかの素材を、SASAがピックアップして拡げていくという手法。以前のGiFTではフォークソング的なサウンドが中心だった竹本にとって、「アイデアに煮詰まったり、自分の癖が出てきてしまう部分も、まったく違う視点で返ってきたり、思いもよらない曲が出来るので新鮮」だという。一方のSASAも、「洋介のなかにフォーク的なマインドもあるし、でもそれだけじゃなくて、これまで形にしてこなかった要素や、新たにいろんなものを吸収したいってう意欲がすごくあるから、それが上手く拡がっていけばいい」と刺激は大きいようだ。かつてグループを脱退して一人で新たな道を開拓していったときの自らの状況を思い出すところもあるのかもしれない。

 もともと竹本が作った〈いつかの場所〉という曲ではSASAが編曲をした上に、地方から上京して夢を追いかけた日々を再確認して明日に向かう強い思いを込めた歌詞の「マインドを引き継いで、Bメロを書き加えて」新たな息吹を吹き込んだ。逆に、10月のライブで披露された〈IF YOU LOVE ME〉は過去のSASAのオリジナルをmotts用にアレンジ。〈shining fighter〉は、全日本プロレスの武藤敬司の入場曲として新たに制作された力強いナンバーだ。「ジャンルは何? とクエスチョンにさせるのも狙い」というように、1曲ごとに多彩な表情をみせるのがmottsの魅力だ。「自分たちでも未知数な部分があるので、どういう化学変化があるのかっていう期待があります」(SASA)。「僕たちがキーマンになって、フィーチャリングみたいな形で誰かを入れてもいいし、一つの型に固定しないで、“フリースタイル・ユニット”としていろいろな可能性を試していきたいです」(竹本)。

 mottsとしては当面“morph限定”の活動ということだが、既に11月、12月、1月と続々ライブが決定している。「これまでお世話になってきたmorphでのライフワークにしてけたらいい」(竹本)との意気込みはもちろん、そのポテンシャルは充分すぎる二人。いち早くライブに足を運んで、今度はあなた自身が彼らと“出会う”番だ。

竹本洋介ブログ http://ameblo.jp/yousuketakemoto/
SASA公式HP http://www.sasa-yan.com/


Interview&text : Eiji Kobayashi


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