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YANAKIKU
“平成の文化使節団”YANAKIKUが今年を締めくくる大団円の夜。


 今年3月にファーストアルバム『柳菊ノ円盤』をリリースしてから、ハイペースでライブを繰り広げファンを増やしてきたYANAKIKU(ヤナキク)が、1年の集大成としてワンマンライブを開催する。

 YANAKIKUは、「日本文化の愉しさを世界に広げるために」立ち上がった、和製ダンス・ポップ・ガールズデュオ。DISCO、TECHNO、EDM、FUNK、SKA、Dubstepなど世界共通のダンスミュージックに、エキゾチックな雰囲気のYANAと可愛らしさが売りのKIKUによって日本的なキャッチーなメロディとツインボーカルで味付け、着物とコスプレをミックスした「きもコス」というオリジナルのコスチュームに身を包みながら繰り広げる独特のパフォーマンスが人気を集めている。初めて耳にするという人もいるかもしれないが、この2年の間にイギリス、アメリカ、韓国、中国、マレーシア、ミャンマーと、世界各地で開催された日本文化発信イベントやJ-POPイベントなどでライブを行ってきた「平成の文化使節団」を自認する2人なのだ。

 とはいえ、彼女たちも「日本文化」に特別詳しいわけではない、日本に生まれ育った普通の女の子だ。YANAKIKUが目指しているのは、伝統的な純日本というよりも、むしろ海外から見た日本や、現代に生きる2人から見た「日本文化の愉しさ」を発信するということ。「曲からでも“きもコス”からでもいいですし、私たちが入口になって日本文化をもっと好きになってくれればいいなと思ってます」(YANA)と言うように、日本や日本の文化・カルチャーのアイコンやキーワードからイメージを膨らませて、YANAKIKUならではのPOPな世界観を生み出している。

 実際、作詞作曲はトラックメイクとアレンジを除いてYANAKIKU自身で行っているが、そのプロセスはYANAだけでもKIKUだけでも成立しないものだという。「私たち2人は、好きなモノも好きな色も好きな服も、人種が違うっていうくらいまったく違うんです。“方向性の違い”なんて言葉をよく聞きますが、私たちはそもそもから違いまくってるんですよ(笑)。楽曲に関しても、私はきっちり作り上げていくタイプだけど、KIKUは脈絡なくアイデアがものすごくいっぱい出てくるんです。一瞬、『えっ、それ曲になるかな?』って思うんだけど、やってみると不思議と形になっていく。だからこそお互いを受け入れられるし、2人が合わさって新しい一つのものができる。私の考えだけでやったらこうはならないし、KIKUの考えだけでもこうならない。おそらく、違う性質の相手を受け入れ合える唯一の人だと思います」(YANA)

 今では仕事もプライベートも関係なく一緒にいる時間が多い2人。今年のアルバム発表以降の現在進行中の新作では、YANAがトラックからデモ制作までも担当しているという。「ここまではYANAKIKUはアリだけど、ここから先はYANAKIKUではナシだよね、というボーダーラインは話し合わずとも2人の感覚がバッチリ合っているので、そこに第3者が入ってズレてしまう時、説明して理解してもらったり、作り直してもらったりするのに時間的ロスが出ちゃうのがもったいなくて。もちろん、2人の色が出すぎてしまうこともあるので、アレンジはアレンジャーさんにお願いしたりするんですけどね」(KIKU)。POPでハッピーなダンスミュージックは、コンセプチュアルな枠組みやプロデューサー先行型のように見えて、「音楽で一花咲かせたい!」という夢を追い続けるYANAとKIKUの情熱をオリジンとした、緻密な作業を地道に積み重ねの上に出来上がっているものなのだ。

 そんなYANAKIKUの今年の集大成を見れるのが、12月12日(土)の2年ぶりのワンマンライブ「柳菊一満デスコ 第二幕 −今年も大団円 唄芸の刻でござい?−」だ。「新曲あり、映像あり、コントあり、笑いあり、涙ありっていう風に考えています。タイトル通り唄芸=宴ですので、忘年会感覚で来ていただきたいです。お祭りですよ〜」(KIKU)。世界各地では現地の言葉でMCをしながら人々を熱狂させてきたYANAKIKUのライブ&トーク、この機会にぜひお見逃しなきよう。


Official web site:https://yanakiku.jp


Interview&text : Eiji Kobayashi


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