8月26日(水)に8年ぶりとなるマキシシングル『what are the colours of your life?』を発売した佐藤寛之が、10月21日(水)に再び新たなマキシシングル『I shall mix them on my palette.』を発売する。2000年代以降は、ライブを中心にマイペースともいえる音楽活動を続けてきた彼が、CD制作に思い至ったのか、その理由を聞いた。
「ずっとライブをメインに活動していく中で、毎回1曲という感じで新曲をやっていたんですけど、それで自分は満足していたんですよね。それが、去年から今年にかけて、自分の身の回りの変化というものがたくさんあって、自分の中で音楽というものを見つめ直す機会があったんです。それで、ふと思ったんですよ、今までためていた曲を、アルバムにして出してみようと。夏までに出したいという気持ちがあったんですけど、思いつきで始めたからフルアルバムにするには時間が足りなくて、4曲ずつ2枚にして出すことにしたんです」。そのコンセプトは、2枚のアルバムタイトルとジャケットのヴィジュアルにも現れている(ちなみにジャケットデザインも佐藤が手がけている)。つまり、1枚目の『what are the colours of your life?』は、「あなたの人生の色は何色ですか?」というファンへの呼びかけであり、2枚目の『I shall mix them on my palette.』は、それに対する佐藤自身のアンサーディスクになっているのだ。
しかし、その「身の回りの変化」とは一体どんなことなのか。一歩踏み込んで聞いてみると、その一つは、長年飼ってきた4匹の愛犬の死に立ち会ったことだと答えてくれた。「20年前、光GENJIを辞めた時、それまでペットに興味があったわけじゃないのに、なんか心の支えじゃないんだけど、犬を買ってみたんです。それがトータルで4匹になって、それぞれの物語があるんですけど、その愛犬たちがだんだん亡くなっていき、16才だった最後の一匹もいなくなったんです。4匹とも、最後の瞬間まで懸命に生きるということをメッセージとして伝えてくれました。そういうのを見ていると、自分も1日1日を悔いがないように過ごそうという気持ちが強くなったというか、自分の年齢もあると思うんですけど、今できることは今やらなかったら来年できないかもしれないということを強く意識するようなったんです。それまでの活動に満足はしていたんですけど、自分は本当にそれで良いのか?という疑問が出てしまって、今の自分って何色なんだろう?って。タイトルに込めた問いは、自分自身へのものでもあるんです」
今回の制作が、彼にとっていかに重要な意味を持っていることなのか、わかっていただけただろうか。そして、佐藤寛之の現在の思いがぎっしり詰まったこの2枚のCDは、ライブに通っているファンが待ち望んでいた楽曲が音源としてカタチになっただけでなく、結果的にかつての佐藤を知る者たちへの現在の彼の姿を伝える作品ともなった。CD発売後には、地方のショッピングモールでのインストアライブにも積極的に出演し、各所で20年ぶりに彼の歌声を耳にする人たちに再会したという。
「もう僕も45歳ですから、若い時に比べて、これから巡り会える人のほうが少ないと思うんです。そういったことも大切にしながら、せっかく音楽をやらせてもらえてるので、会いたいなと思う人がいるんだったら、どんな田舎にも会いに行っていいし、そこで歌が聞きたいのであれば歌いたい。音楽を通じて、今の歌を聴いてもらって、少しでも良かったですと思ってくれたら、ものすごく素敵だと思うんです」
11月1日(日)のワンマンは、翌日に控えた誕生日を祝うバースデーライブにもなっている。最近のライブでの毎回の目標は、年相応のライブをすること」だという。スーパーアイドル時代の佐藤しか知らないという人たちにも、彼が地道にずっと続けてきた音楽がどんなものなのか確かめに足を運んでみてはどうだろうか。そして、彼が一貫してこだわってきたダイナミックな生音のバンドサウンドを体感し、何より、一回りも二回りも大人になった等身大の佐藤寛之の姿を、ぜひ目撃して欲しい。
Official website: http://www.satohhiroyuki.com/
(ライブ情報)
SATOH HIROYUKI Birthday Live " h+45Page "
会場:morph-tokyo
日時:2015年11月1日(日)
〈1部〉開場 14:00 / 開演 14:30
〈2部〉開場 17:30 / 開演 18:00
チケット(入替え制):一般前売 \5.500/当日 \6.000(税込/D別)