morph-tokyo
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 今月で12周年を迎えるmorph-tokyo。この時期に毎年開催されるAnniversary Special Weekでは、日替わりでmorph-tokyoに縁のある様々なアーティストが登場する。その中で、10月29(水)「morphのたんじょーび!!」に出演するアキオカマサコは、北海道と東京を行き来しながら活動するシンガーソングライター。天使のような透き通る歌声と、切ない響きにギター、等身大の女性の視点で描かれた人間関係を歌う歌詞に同世代の女性を中心に熱い支持を集め、音楽のほかにもラジオMCやナレーションの仕事、さらに2012年夏から網走観光大使としても活躍中だ。

 彼女とmorphとのつながりは、今年の夏にリリースされた彼女のニューシングル『私たちの主題歌』に収録された3曲が、morphから巣立ったウラニーノの楽曲をカバーした作品であることだ。表題曲の「私たちの主題歌」は9月に札幌で行われたモエレ沼芸術花火2014のテーマソングにも選ばれている。一癖も二癖もあるウラニーノの世界にどのように挑戦したのか、札幌にいる彼女に電話インタビューを行なった。

 まずはカバーの経緯を聞いてみると、彼女と地元の花火大会との関わりが先にあったという。「モエレ沼芸術花火は今年で3回目になるんですが、実行委員会の方とも地元の知り合いで、1年目から関わらせていただいてました。それで今年はテーマソングとしてウラニーノさんの曲を歌ってみないかというお話をいただいて、こういう形でのカバーは初めてだったんですけど、楽曲が素晴らしかったので挑戦してみようと思いました」

 年始に話をもらってからレコーディングまでの半年間の試行錯誤を経て出来上がった〈私たちの主題歌〉は、実はウラニーノの曲と言われなければそうと分からないほど、しっかりとアキオカマサコの歌になっている。2曲目の〈海〉も同様で、歌われる“大自然と小さな存在の私”という対比は、北海道のシンガーならではの曲と言われても納得する仕上がりだ。唯一、3曲目の「ありがとうとごめんねと」だけが、ウラニーノ特有の歌詞と世界観がにじみ出ているが、またそれを女性が歌っているというひと捻りが効いている。

 「3曲とも原曲とアレンジはぜんぜん違うものになっていると思います。ウラニーノさんの場合はバンド・サウンドでアレンジもギター寄りなので、私は今回かなり鍵盤でやったのも印象が違うかもしれないですね。〈私たちの主題歌〉は、アレンジャーの方が原曲を聞かずに私が弾き語りしたものを聞いてアレンジしてくださったんです。〈海〉は打ち込みも多用したり海の音も入れて幻想的な感じになりました」

 また、アキオカマサコの歌として改めて聴くと、彼女の透明感のある声によって歌詞がとても身体に入ってくるのも印象的だった。「それは嬉しいです。今回何を聴かせたいかと考えた時、やっぱり歌詞を一番聞いてほしいなと思ったので。特に〈私たちの主題歌〉と〈海〉に関しては、性別は関係ない曲だと思ったので、誰になって歌えばいいのかを一番考えました。見方によっては悟っている感じがある曲なので、歌い方を間違うと押し付けた偉そうな歌になってしまうけど,同じ立場にいすぎても説得力がない気がして、普段は等身大な曲を歌っていたので、そこが難しかったですね。〈海〉は最終的には淡々と歌うことに徹して歌詞をとにかく聞いてもらえるようにしました」

 3曲とも、アキオカマサコによる新たなアプローチで原曲の魅力を新たに引き出すことに成功していると言える。と同時に、それはウラニーノの曲がアキオカマサコというアーティストが持っている可能性を充分に引き出した結果だとも言えるだろう。

 「自分の歌だけ歌っていたら感じなかったことをいっぱい感じましたし、メロディーも言葉もどうしても自分の癖が出てしまうので、自分にないものを発見できてすごい良い経験だったと思います。ウラニーノさんの歌を通していろんな人になれたのも面白かったですし、この経験を活かして自分の歌も作り続けたいし、また今回のように別のアーティストの歌も歌ってみたいですね」  

29日のライブでアキオカマサコは、ウラニーノと同じステージに立つ。今回のプロジェクトを通して一回り大きくなった彼女の姿を、morphのアニバーサリーとともに祝福したい。

official website http://akiokamasako.com/

(ライブ情報)
morph-tokyo 12th Anniversary Special Week!!
『morphのたんじょーび!!』
2014年10月29日(水)
出演 :THE NEUTRAL/ワカバ/MinxZone/ウラニーノ/アキオカマサコ Opening Act:山口元親
会場:六本木morph-tokyo
時間:Open 17:30 / Start 18:00
料金:前売り ¥3,000 当日 ¥3,400 (D別)

(CD情報)
アキオカマサコ『私たちの主題歌』
¥1,000(税込)/ GGR-1060
〈収録曲〉
1.私たちの主題歌
2.海
3.ありがとうとごめんねと



Interview&text : Eiji Kobayashi


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